経営理念

事務所の経営理念について

1.「自利利他」の理念と実践
2.「継続は力なり」の信念の実践
3.「守・破・離」の教えの実践

「継続は力なり」の語源
たとい 一句一行の法文なりとも
これを念ずること 五年 十年 年久しきに至れば
必ずそこには一つの風格を成就します
一行を執持する者は 必ず万徳を具するに至るのであります
でありますから 大法を聞くだけでなく
長時にわたって忘れないことが大切であります
忘れずとは相続することであります
「当に勤めて之を行じ」つつ 相続して忘れねば
その一貫相続の行歩は 必ず美しき人格を成就します
「念願は人格を決定す 継続は力なり」
だれが 私のこの一句の贈り物を忘れず
一生に執持して下さるのでありましょうか

住岡夜晃著『讃嘆の詩(樹心社)』より


「守」「破」「離」 (しゅはり) とは
受け継がれた物を守り
現代合わなくなった物を捨て去り
新しく、独自の工夫を加え、そして今までの型を越える

『守(しゅ)』『破(は)』『離(り)』とは 指導者から何かを学び始めてから、ひとり立ちしていくまでに人は、『守』・『破』・『離』という順に段階を進んでいきます。

『守』  最初の段階では、指導者の教えを守っていきます。 できるだけ多くの話を聞き、指導者の行動を見習って、指導者の価値観をも自分のものにしていきます。 学ぶ人は、すべてを習得できたと感じるまでは、指導者の指導の通りの行動をします。 そして、指導者が「疑問に対して自分で考えろ」と言うことが多くなったら、次の段階に移っていきます。
『破』  次の段階では、指導者の教えを守るだけではなく、破る行為をしてみます。 自分独自に工夫して、指導者の教えになかった方法を試してみます。 そして、うまくいけば、自分なりの発展を試みていきます。
『離』  最後の段階では、指導者のもとから離れて、自分自身で学んだ内容を発展させていきます。

どの道にも必ず型というものがある。そして、繰り返し繰り返し、型の稽古をしなければならない。型は昔から代々受け継がれてきているが、実は少しずつ工夫が加わって次第に良いものだけが残されてきている。 型は常に同じものではなく、変化している。
受け継いだものを守り、現代(いま)に合わなくなったものを捨て去り、そこに新しく、独自の工夫を加え、それを繰り返す。そして今までの型を越える、独自の世界(オリジナリティ)を創り出していく。

「自利利他」の理念の実践とは

TKC全国会の基本理念である「自利利他」について、TKC全国会創設者飯塚毅は次のように述べています。
大乗仏教の経論には「自利利他」の語が実に頻繁に登場する。解釈にも諸説がある。その中で私は「自利とは利他をいう」(最澄伝教大師伝)と解するのが最も正しいと信ずる。
仏教哲学の精髄は「相即の論理」である。般若心経は「色即是空」と説くが、それは「色」を滅して「空」に至るのではなく、「色そのままに空」であるという真理を表現している。
同様に「自利とは利他をいう」とは、「利他」のまっただ中で「自利」を覚知すること、すなわち「自利即利他」の意味である。他の説のごとく「自利と、利他と」といった並列の関係ではない。
そう解すれば自利の「自」は、単に想念としての自己を指すものではないことが分かるだろう。それは己の主体、すなわち主人公である。
また、利他の「他」もただ他者の意ではない。己の五体はもちろん、眼耳鼻舌身意の「意」さえ含む一切の客体をいう。
世のため人のため、つまり会計人なら、職員や関与先、社会のために精進努力の生活に徹すること、それがそのまま自利すなわち本当の自分の喜びであり幸福なのだ。
そのような心境に立ち至り、かかる本物の人物となって社会と大衆に奉仕することができれば、人は心からの生き甲斐を感じるはずである。

自利利他